教員の紹介

教授 福士 秀人ふくし ひでと

所属大学
岐阜
講座
病態獣医学
教育研究分野
獣医微生物学,獣医感染症学,獣医免疫学
fukushihideto

教育ポリシー

学生の主体的な学びの支援

主な研究テーマ

  • ウマヘルペスウイルスの病原性解明
  • クラミジアの微生物学
  • 自然界における薬剤耐性菌の生態

研究のキーワード

  • ヘルペスウイルス
  • 分子生物学
  • 遺伝子解析
  • ゲノミクス

主な研究業績

1993年に動物園で飼育されていたトムソンガゼルの集団発生脳炎に遭遇し,原因病原体としてウイルスを分離しました (Fukushi et al. 1997 Virology 227: 34-44).このウイルスが新型ウイルスであることを明らかにし,ウマヘルペスウイルス9型(EHV-9)として認められました.2012年にはEHV-9ゲノム全塩基配列を解読しました(Fukushi et al. 2012 J. Virol. 86:13822).最近,アメリカやドイツの動物園でEHV-9感染によりシロクマやキリンなどが死亡する例が相次いでいます.ゲノム塩基配列解読はEHV-9が示す強い種間伝播力の解明の基盤となります.

 

ウマヘルペスウイルス1型の遺伝子改変システムとしてBAC (Bacterial Artificial Chromosome) クローンを確立し,ウイルスが保有する遺伝子が病原性発現にどのような役割を担っているかを明らかにしてきています(Kasem et al. 2010 Virology 400:259-270; Yu et al. 2012 Virus Res. 163:310-319).

 

1980年代にオウム病クラミジアとして分類されていた様々なクラミジアのDNA相同性解析を行い,遺伝学的にはいくつかのグループが存在することを明らかにしました.特に反芻動物から分離されたクラミジアは他のオウム病クラミジアよりも相同性が低いことから新種とするべきであることを提案し,Chlamydia pecorumとして認められました.

自由記述

私は1957年に青森県弘前市で生まれました.北海道大学理類に入学し,獣医学部に進学しました.卒業後は修士課程に進み,鳥インフルエンザウイルスHAに対する単クローン性抗体を作出し,鳥インフルエンザウイルスの抗原解析を行いました.

 1982年に岐阜大学に助手として赴任しました.赴任後はクラミジアの研究をしました.

 1993年のウマヘルペスウイルス9型の分離を契機として,ウイルスの研究を再開しました.特にウマヘルペスウイルス9型に近縁で獣医学上も重要なウイルスであるウマヘルペスウイルス1型の研究を開始し,日本中央競馬会との共同研究を進めてきています.最近はドイツの研究者との共同研究を進めており,ウイルスゲノムの比較解析をしています.また,ウマヘルペスウイルスのゲノムを比較的自由に改変できる技術を持ったので,様々な実験を展開しています.

 海外研究としてザンビア大学との共同研究をしてきました.最近はガーナ大学の研究者とも共同研究をしています.この共同研究ではアフリカの野生動物における薬剤耐性菌の保有状況の調査を行っています.

 岐阜大に赴任後の研究は全て学生たちとの共同で行ってきたものです.まだまだわからないことばかりです.学生たちと一緒にした研究で新しい発見をしたときの喜びは格別です.さらに,ここ数年は岐阜大学の教養教育推進センター長としても働いています.獣医学的な見方のみならず人文学的な見方や社会科学的な見方など,これまでとは違う面白さを感じています.これまでの経験を教育と研究に活かしていきたいと思っています.