岐阜大学 応用生物科学部
附属共同獣医学教育開発推進センター長
猪島 康雄
共同獣医学教育開発推進センターCenter for the Development and Promotion of Joint Veterinary Educationは、平成25(2013)年4月に岐阜大学・鳥取大学共同獣医学科の設置と同時に、岐阜大学応用生物科学部と鳥取大学農学部による共同教育を有効、かつ、効率的に実施するための教育方法及び教育内容を改善・開発・調整すること、及び連携・共同獣医学教育に関する情報を発信することにより獣医学教育の質の向上・発展に寄与することを目的として設置されました。遠隔地間の共通授業科目のための最先端の情報通信技術を駆使した授業方法や、学生・教員移動を伴う教育プログラムの開発、開発した授業プログラムの全国への情報発信を行っています。
本センターは、2つの部門「共同教育マネージメント部門」と「実践的共同教育推進部門」により組織されています(図 参照)。残念ながら専任教員及び専任スタッフはいません。岐阜大学、鳥取大学ともに、それぞれの部門に2名の教員が併任として配置されています。
最初の共同獣医学科の卒業生を令和元(2019)年度に輩出後、令和2(2020)年度からは、改善・改定された新しいカリキュラムがスタートしています。コロナ禍により、いずれの学年でも対面講義ができなかったり、教員移動・学生移動の講義、実習ができなかったり、と急遽イレギュラーな対応をせざるを得ないことが多々あります。しばらくこの状況が続くと予想されることから、両大学で柔軟に調整、対応し、遠隔講義やオンデマンド講義などを活用しつつ、教育の質は低下させないように努めてまいります。
鳥取大学 農学部
附属共同獣医学教育開発推進センター長
太田 利男
本年度より附属共同獣医学教育開発推進センター長を務めております太田です。当センター長としてご挨拶を申し上げます。
岐阜大学・鳥取大学共同獣医学科では、通常の対面講義に加え、教員や学生が双方の大学に移動する移動型授業、遠隔講義システムを利用したメディア型授業、国内外でのインターンシップ実習など、様々な形態の授業が行われています。これらの教育が円滑かつ効率的に行われ、獣医学教育の質の向上に貢献するため、共同獣医学科開設と同時に当センターが設置されました。共同教育のメリットは、両大学の特色となる教育力と研究力を結集し、質の高い教育を提供できることにあります。
近年は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、オンデマンド講義などの新しい形態の授業も実施されています。ただし、どのような実施方法であっても、両大学の学生は同じカリキュラムで獣医学教育を受けることに変わりはありません。重要なことは、両大学の学生が意欲的に学び、高度な獣医学教育を受けられる環境が整っていることです。
今後、新型コロナウイルス感染症の影響が少なくなり、大学キャンパス内での講義や実習、学外でのインターンシップ実習における制約が少なくなると思われます。当センターは、両大学における獣医学教育を円滑に行うため、これまで以上に共同教育体制を発展させ、質の高い獣医学教育を提供し、獣医学教育の向上に貢献するため、教育システムの開発と推進に尽力してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。