学科長あいさつ

鬼頭克也
岐阜大学応用生物科学部
共同獣医学科長
鬼頭 克也

2020年度より、岐阜大学共同獣医学科長を拝命いたしました。
共同獣医学科は、2大学が持っている教育資源を最大限に活かして、獣医師として幅広い分野で活躍できる資質を身につけた人材を養成することを目標に、2013年4月に設置されました。本学科には1学年65名(岐阜30名+鳥取35名)の学生(定員)に対して72名(岐阜36名+鳥取36名)の教員がおり、一人の学生に対して一人以上の教員があたるという大変、恵まれた環境にあります。このような教育環境の下に、国際通用性のある獣医学教育の実現に向けて、コア・カリキュラムの導入、全国統一の共用試験の実施、動物病院における臨床実習の見学型から参加型への転換を進めて参りました。加えて、本学科の教育にはさまざまな特色があります。例えば、低学年時には、少人数を対象にした個別指導により、大学における学習に必要な基本的事項を教授する教養基礎力養成演習があり、高学年になると、岐阜大学や鳥取大学の付属施設を活用した公衆衛生学実習があります。この他の特色については、本HPで紹介しています。
共同獣医学科の設置から7年が経過し、これまでに2か年の学生を社会に輩出しました。岐阜大学では63名が伴侶動物や産業動物の臨床獣医師として、また国(農林水産省や研究機関など)や地方自治体(農林畜産や公衆衛生部門など)で行政や試験研究に、民間企業(製薬や食肉・乳業など)で研究や開発に、あるいは競馬会等で競争馬の育成や管理にあたるなど、まさに幅広い分野で多種の職に就いています。
2019年4月からは両大学で共同獣医学研究科(大学院博士課程)を設置し、学部6年間と大学院4年間を通じて一貫した教育理念に基づいた教育を実施し、高度な専門性と国際性を有するスペシャリストを養成しています(https://vetsci.gt-jdvm.jp)。
2020年の春、世界は新型コロナウイルスの感染拡大により未曾有の危機に見舞われています。そしてコロナ禍を乗り越えた後には、新しい生活様式が求められています。本学科では、高等教育の将来を見据え、一致団結して教育の質を保証し、学生の皆さんが学びの到達目標を達成できるよう、また今後も「現場の最前線で活躍できる高度な実践力を有する獣医師の養成」と「国際水準の獣医学教育の実現」を目標に、全力を尽くして参ります。皆様方のご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

鳥取大学農学部
共同獣医学科長
森田 剛仁

本年度、鳥取大学共同獣医学科長を拝命いたしました。

平成25年4月に設置された共同獣医学科は10年目を迎え、本年3月には第3期生が卒業いたしました。本共同獣医学科の教育理念は、動物の健康の増進、公衆衛生の向上、人間社会と環境における健全性の維持に貢献する命の専門家の育成です。そのため本学科における教育では、通常の対面型講義や実習に加え、学生移動、教員移動および遠隔講義システムを用いた様々な手法により、動物に関わる総合的、実践的かつ高度な獣医学教育を実施しています。共同獣医学科の1~3年生の間は基礎、病態、応用に関する科目が主であり、1・2年生では、両大学の学生が互いに移動し、合同で実施する授業を行っています。4年生以上の学年では、臨床獣医学の教育科目が中心となります。4年生は年度末に獣医学共用試験を受験し、これまでは全員が合格しました。獣医学共用試験は、参加型臨床実習を受講するための学生の質の確保と保証が目的の試験です。そのため、5年生は「総合参加型臨床実習」を受講できることになり、実際の臨床現場での実習参加を通して実践的な診療技能と臨床的知識を身につけることが出来るようになります。また、公務員獣医師や小動物、産業動物獣医師の職場における実習を通じて獣医学の応用に関する知識を身につける公衆・家畜衛生インターンシップ実習や、海外の獣医系大学における教育に触れることでグローバルな視点を養う国際獣医学インターンシップ演習などの授業科目もあり、獣医師としての社会的使命と役割を理解するための実践的な科目も組まれています。共同獣医学科は、日本のみならず国際社会で活躍できる学生を輩出すべく、令和2年度に教育カリキュラムを全面的に改訂しました。

新型コロナウイルスが流行して以降、教育現場ではオンライン授業など様々な対応を行ってきましたが、徐々にコロナ禍前の学習環境に戻し、基本的には対面授業を行うようになりました。今後も教育研究体制の充実をすすめるとともに、教育環境のさらなる改善を図っていきたいと考えています。そして、共同獣医学科の全ての学生が、国内外の社会的要請に対応できる「人間力」を備えた獣医師として活躍できるように努めて参ります。今後とも皆様のご支援とご理解を宜しくお願い申し上げます。