学びの特色

教員からのメッセージ

基礎獣医学講座

  • [所属大学]岐阜大学
  • [研究分野]獣医解剖学

基礎は巡る:基礎→応用→臨床

基礎獣医学講座は獣医解剖学、獣医生理学、獣医薬理学および獣医生化学の4つの研究室で構成し、13名の教員が属しています。基礎獣医学講座が担当する専門科目は主として獣医解剖学、獣医組織学、発生学、獣医生理学、獣医生化学、獣医薬理学などがあります。講義にはそれぞれの実習があり、講義内容を理解する上で重要な体験となります。基礎の科目は動物の正常な生命現象を分子から個体に至るまで理解する内容を含み、病気のメカニズムを解析するのに役立ちます。基礎獣医学は直接動物の病気の診断や治療とは関連しないことから、勉強は適当にやり過ごしがちです。しかし応用獣医学や臨床獣医学に接したならば、基礎獣医学の重要性に痛感します。6年間で獣医学をしっかり身につけるには、基礎→応用→臨床→基礎→応用→臨床→基礎→・・・の繰り返しです。考えても調べても不明な点は知っている人(教員や先輩)に聞くのが一番です。試験で合格点を取れば終わりではありません。スタートなのです。本当の勉強のこれから始まりです。興味ある科目を初めに選び、縦横に並べて自分の獣医学体系を構築するのです。これを土台に苦手な科目を織り交ぜます。そうすると獣医学の全体がおぼろげに見え、授業が楽しくなります。

病態獣医学講座

  • [氏名]森田剛仁 教授
  • [所属大学]鳥取大学
  • [研究分野]獣医病理学

動物の病気を幅広く理解し、実践能力のある獣医師に!!

病態獣医学講座は現在3つの研究室(獣医微生物学、獣医病理学および獣医寄生虫学)から構成され、9名の教員が所属しています。病態獣医学は、動物の疾病がどのように発生するかを解析し、理解することを目的とした獣医学の一分野です。動物に病気を引き起こす微生物や寄生虫の構造と性質、感染・増殖様式、感染した動物への影響や、動物の病気の発生する仕組みなどに関する教育・研究を行っています。

獣医学が対象とする様々な動物には、代謝異常、炎症、腫瘍あるいは感染症などのいろいろな病気が発生し、これらの病気を治療し、予防するためには正確に診断する必要があります。また、感染症や寄生虫病では病気の原因となるウイルスや細菌、真菌などの病原体や寄生虫がどのようなものであるかを正確かつ迅速に特定しなければなりません。これらの情報は、獣医臨床の現場において、今まさに生じている病気を治療、予防するのみでなく、新しい病気の発見や病気の新しい治療や予防法の開発に寄与します。

病気に関する知識は非常に膨大ですが、それらを習得し、社会からの様々な要請や期待に対応し、それらを解決できる実践力を持った獣医師を養成します。

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応用獣医学講座

  • [氏名]鈴木正嗣 教授
  • [所属大学]岐阜大学
  • [研究分野]野生動物医学

人と動物の健全で健康な生活を守るために

応用獣医学講座には、人獣共通感染症学、食品環境衛生学、野生動物医学、獣医公衆衛生学、実験動物学、獣医感染症学、獣医衛生学の7つの分野(研究室)が含まれます。これらの名称は、もしかすると高校生や新入生の皆さんには馴染みが薄いかも知れません。しかし、「動物の診断治療」のみならず、「食品や環境等の安全性を維持・監視し、人と動物の健全かつ健康な生活の存続に貢献する」ことも獣医師に求められる重要な役割です。応用獣医学講座は、この役割を適切に果たすための活動を行っています。岐阜大学・鳥取大学共同獣医学科の特色である野生動物対応も主として本講座が担当しており、感染症管理、農林業被害対策、個体群管理等を網羅した包括的な教育研究を続けています。

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臨床獣医学講座

  • [氏名]岡本芳晴 教授
  • [所属大学]鳥取大学
  • [研究分野]獣医外科学

点を線で結んで「至福の時」としよう!

臨床獣医学では、動物の病気を診断し治療する方法を学びます。4年生から本格的に臨床獣医学の科目がスタートしますが、臨床獣医学を理解するためには、それまでに勉強した知識が必要とされます。また、5年生で行う総合参加型臨床実習では、附属動物病院等における実際の診療に参加しながら学んでいきます。それまで学んだ知識の再確認、飼い主さんとのコミュニケーション、チームワークの重要さ、教科書通りには行かない診断と治療、すべての病気を完治できるわけではない現実など、この実習で得られることは極めて多く、臨床を学ぶ上での総集編というべき実習です。大学卒業後、全ての人が動物を治療する仕事に就くわけではありませんが、仮に将来臨床系以外の仕事に就くとしても、臨床獣医師の責務を感じることのできる、極めて大切な時間になります。

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学生からのメッセージ

多種多様な実習を通して得られる知識

  • [学年]3年生
  • [所属大学]鳥取大学
  • [出身地]岡山県

共同獣医学科における学びの特色に多種多様な実習があります。実習は多くの専門科目で行われ、主に講義で予め学習した内容を再確認していく場です。そのため、実習のみから学べないことが多くあります。例えば解剖学実習では、本物の骨や臓器に触れてその形状を記憶するため、教科書を見ているだけでは分からない、実体験に基づいた理解をすることができます。また、生理学実習では筋肉の動きや神経の働きに関する実験を行い、その結果をもとに考察を行います。考察を行う際には、講義で学んだ知識をアウトプットするため、単に知っているだけでなく使える知識を身に付けることができます。

夏休みには、鳥取大学と岐阜大学の学生が共同で行う実習があります。これは獣医師の職域について学ぶ実習で、畜産試験場やJRAなどを訪問し、そこで働いている獣医師の方のお話を伺います。獣医師の仕事内容について直接見聞きできる貴重な経験のため、自らの将来について深く考えることができます。

獣医の専門知識を、講義と実習を通して身につけ始める学年

  • [学年]4年生
  • [所属大学]岐阜大学
  • [出身地]愛知県

低学年の最終学年となる3年生になると、卒業に必要な教養科目の単位取得もほぼ済み、獣医学教育カリキュラムにある専門科目を学ぶことになります。2年生までは基礎科目ばかりだった専門科目も、病理学や動物感染症学といった、より「獣医らしい」専門科目が増え、「獣医学科に入ったのだ」と改めて実感するような学年でもあります。実習も、学校のある日はほぼ毎日午後にあるため、時間的な余裕も少しずつ減っていく学年ではありますが、その実習を通じて、座学で学んできた専門知識を、実際の獣医の仕事に近い状態で目にすることで、より定着することができます。また、実習では、実際に動物に触れる機会があるので、動物の命の大切さを学んだり、実験結果を生のデータを通じて考察することで知識の応用力を身に着けたりすることができます。高校とは異なり、その分野の専門家である教員が、最新の知見などを交えて講義してくれるため、より関心を持って学ぶことができます。

2大学共同で実施される充実した講義や実習

  • [学年]5年生
  • [所属大学]鳥取大学
  • [出身地]大阪府

共同獣医学科では、2大学が共同でカリキュラムを編成します。学生は、各大学の特色を生かした専門性の高い講義を受講することができます。他大学の講義は、主に遠隔講義システムで受講することになりますが、リアルタイムで質問したり、講義後にメールで質問したりすることができるため、不便を感じることはありません。また、両大学の先生が大学を移動して講義を行う科目や学生が移動して講義を受ける科目もあります。一部の実習も同様で、より専門性の高い先生が在籍する大学に学生が移動して実施されます。例えば、狂犬病に関する実習は岐阜大学で、インフルエンザに関する実習は鳥取大学で実施されます。

より専門性の高い先生から専門とする内容の講義を受講できることは共同獣医学科ならではの利点です。日頃の多様な講義から、自分の興味のある分野をみつけ、知識を深めていくことで、充実した大学生活を過ごせると思います。

共同獣医学科の教育の特色として感じていること

  • [学年]6年生
  • [所属大学]岐阜大学
  • [出身地]神奈川県

共同獣医学科の教育は、カリキュラムの組み方と、少人数制が特徴的だと思います。

カリキュラムとしては、低学年で獣医学の基礎を学び、高学年では実際のそれぞれの現場で必要となる応用的なことを学んでいきます。授業は座学と実習が連動しており、座学で学んだことを実際に肌で感じることができるため、理解を深めるのに非常に役立ちました。また、実習においては少人数制のため、それぞれが様々なことを考え経験できると感じました。

5年次にて一通りの座学が終わると、その後に総合臨床実習(ポリクリ)という実際の動物病院での診療を経験できる実習があります。勉強したことが直に役立つ現場があるという実感、診療の難しさや緊張感を学生ながらに感じました。ポリクリや高学年で必修のインターンシップは自身の進路を考える貴重な経験になりました。

また、ポリクリ終了後はそれぞれの所属研究室にて卒業研究に力を注いでいくことになります。卒業研究においても少人数教育により教員の丁寧な指導を受けられるため、実験手技や研究内容に関する具体的な知識を学べるだけでなく、それらを題材として情報の読み取り方や論理的な思考の仕方を学ぶことができると思います。