共同獣医学科
Joint Department of Veterinary Medicine
新着情報
鳥取大学の学生3名がケンブリッジ大学での臨床研修に参加しました。
平成27年度 英国ケンブリッジ大学 The Queen’s Veterinary School Hospital 研修
鳥取大学では毎年この時期に、ケンブリッジ大学での臨床研修を行っています。今年度、本研修に参加する学生を引率した東助教に、実習の様子を報告していただきました。
平成28年2月17日-22日までの期間、英国ケンブリッジ大学のThe Queen’s Veterinary School Hospitalでの臨床研修を実施しました。本年度の参加者は学生3名(5年生1名、4年生2名)でした。現地の学生は、各診療科(小動物病院、馬診療科など)をローテーションし実際の症例から多くのことを学んでいます。今回は、そのローテーション実習の一部に参加しました。
小動物病院での学生の一日はハードで、朝は8時頃からのセミナー・ラウンドに始まり、夕方の入院室でのラウンドまで休む暇がないこともしばしばです。その後当日の症例の復習とまとめ、翌日以降への予習と期間中は臨床漬けの毎日を送ることとなります。ケンブリッジ大の学生は、来院する動物の診断・治療を、研修獣医師(レジデント)および教員とチームを組んで参加しています。飼い主から動物の様子を聞く問診に始まり、血液検査・レントゲン検査をはじめとする各種検査および治療に参加します。朝の巡回では、学生が、自分の担当症例の症状・検査結果・治療方針をスタッフらの前でプレゼンテーションします。本学の学生は初め、英語を聞き取りに非常に苦労しているようでしたが、実習が進むにつれ徐々に聞き取れるようになっているようでした。外科では、腫瘍や骨折の手術のみならず不妊手術の実習も用意されています。教員に丁寧に指導を受けながら、不妊手術の実習を行うケンブリッジ大の学生の姿は非常に新鮮でした。
鳥取大学では、馬の診療を目にする機会は非常に希ですが、こちらでは毎日数頭の馬が来院し、検査や治療を受けていました。レジデントの指導を受けながら、学生自らが馬を保定し、薬の投与も実施していました。本学の学生も普段見ることの少ない馬の診療を食い入るように見学していました。
週末には、ケンブリッジ市街を散策しました。ケンブリッジには大学施設が多数あり、それぞれの建築物が美しい街を形成しています。DNA二重らせん構造を発見したワトソンとクリックが議論を行ったという逸話のある飲食店もあり、私たちの興味は尽きませんでした。
参加した本学の学生にとっては、英国の臨床獣医学を体験するのみならず英国の文化・習慣の違いなどに触れるいい機会になったのではないかと感じています。また、渡航前は英語での会話に自信がない部分もあったかと思いますが、短い期間ながら現地の人と英語でのコミュニケーションが取れたことは今後の自信になるのではないかと思います。特に本研修で最も印象的だったのは、現地学生の予想以上のモチベーションの高さでした。臨床に求められる能力は専門分野の知識の理解のみならず、多岐に渡ります。他国の同世代の学生もまた貪欲に学習し、多くのことを吸収している姿は、参加した本学の学生にも非常に刺激的なものであったと思います。(引率教員 東 和生 記)
参加した3名の学生
馬の診療風景
不妊手術の様子
診療の見学